
運動不足解消やダイエット、久しぶりのハイキングなど、いつもより歩きすぎて「足が痛い」と感じたことがある人もいるでしょう。毎回足が痛くなり、悩んでいる人もいるかもしれませんね。そこで本記事では、歩きすぎて足が痛くなった際の治し方や原因を解説します。また、たくさん歩く際に疲れにくくする方法も紹介。歩きすぎによる足の痛みで悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
歩きすぎて足が痛いときの治し方

はじめに、歩きすぎて足が痛いときの治し方を紹介します。
足が痛いときの治し方①マッサージをする
歩きすぎて足が痛いときは、マッサージをするのがおすすめです。マッサージは足の血流を良くし、むくみの改善に役立ちます。
かんたんにできるマッサージとして、ゴルフボールを使用した方法があります。椅子に座った状態で足の裏(土踏まずあたり)にゴルフボールを当て、コロコロと転がしてみましょう。ゴルフボールを転がすことで足底腱膜が緩み、足の痛みを軽減できる可能性があります。
足底腱膜炎が発症している人は、ゴルフボールマッサージは控えた方がよいでしょう。一時的に痛みが軽減しても、根本的な解決にはならないためです。硬いゴルフボールにより、症状が悪化するケースもあります。
足が痛いときの治し方②ストレッチをする
ストレッチも、歩きすぎて足が痛いときの治し方のひとつです。例えば足を伸ばした状態で座り、片方の足を体側に引き寄せます。引き寄せた足と反対側の手の指を足の指に入れ、足首を回すとよいでしょう。
また、壁から1.5歩分ほど離れた場所に立ち、両手をつきます。片方の足を1歩前に出し、そのまま壁に両手をついてゆっくり押していきましょう。この体勢はふくらはぎの後ろの部分がよく伸びるので、痛みを軽減できる可能性があります。
足が痛いときの治し方③市販薬を活用する
マッサージやストレッチで足の痛みが軽減しない際は市販薬を活用するのもおすすめ。足の痛みに効く市販薬は、貼るタイプや塗るタイプ、錠剤タイプなどさまざまです。
むくみによる足の痛みを改善したいのか、筋肉に炎症が起きていることで発生している痛みを改善したいのかで、選ぶ商品も異なります。そのため、自分で判断できない場合は、症状を薬剤師に伝えて適切な商品を選んでもらうとよいでしょう。
筋肉痛が酷かった際、家にある痛み止めを服用したら症状が緩和されました。しかし眠気がひどく、運転する予定を断念したことがあります。市販薬を服用する際は、眠くなる成分が入っているかどうかも確認するとよいかもしれません。」
足が痛いときの治し方④足を高い位置に置く
歩きすぎて足が痛いときは、足を高い位置に置くのもひとつの方法です。両足を壁に立てかけて仰向けで寝転び、足に溜まった血液を心臓に戻しましょう。
壁に立てかける以外にも、枕やクッションで高さを出して心臓より高い位置にするだけでも効果的。それでも足の痛みが気になる際は、マッサージやストレッチも併用するとさらによいでしょう。
足が痛いときの治し方⑤温める
足を温めるのも、歩きすぎて足が痛いときに緩和する方法としておすすめです。湯船に浸かったり、蒸しタオルを用いたりして温めると、痛みが軽減するかもしれません。温かいシャワーを当てると、水圧と水の温かさが相まってマッサージの代わりにもなります。
しかし、筋肉に炎症を起こしていたり足に怪我をしていたりする場合は、患部を温めるよりもしっかりと冷やすのがおすすめ。炎症を起こしている部分や怪我を温めると、血行が良くなることで出血量が増えたり腫れがひどくなったりします。
足が痛いときの治し方⑥医療機関を受診する
マッサージやストレッチ、市販薬などの方法を用いても足の痛みが治らない際は、整体や医療機関を受診するのがおすすめです。
痛みが治らないのにセルフケアを続けていると、隠れている疾患の発見が遅れたり悪化したりする可能性もあります。自己判断をせず、違和感を覚えたらなるべく早めに医療機関を受診しましょう。
歩きすぎて足が痛くなる原因

歩きすぎて足が痛くなる原因は、主に以下の5つです。
- 筋肉の疲労
- 血行不良
- 靴が足に合っていない
- 歩く際の姿勢が悪い
- 疾患
それぞれ詳しく解説します。
原因①歩きすぎによる筋肉の疲労
人は歩く際、ふくらはぎや太ももなど体のなかでも比較的大きな筋肉を使用します。筋肉を使用すると、エネルギーを生成する過程で「乳酸」と呼ばれる物質を生成(※)。生成された乳酸は足や心臓の筋肉を動かすエネルギーとして活用されますが、乳酸が筋肉の疲労につながる可能性があります。
※参照:血中乳酸から運動能力を探る@駿河台大学学術情報リポジトリ
原因②歩きすぎによる血行不良
歩きすぎると、血行不良により足に痛みが出ることもあります。歩きすぎると、筋肉が疲労して緊張し、硬くなるケースも。硬くなった筋肉が足の血管を圧迫し、血行不良になる可能性があります。血行不良になり、血液の循環がうまくいかなくなることで足の痛みの原因になります。
長時間のデスクワークや立ちっぱなしが血行不良につながることもあります。
原因③靴が足に合っていない
靴が足に合っていないのも、歩きすぎた際に足の痛みにつながる可能性があります。そのため、サイズや素材を確認し、試し履きをしてから購入するのがおすすめです。
靴が足に合っていないと出やすい症状としては、靴擦れや外反母趾、足のむくみが挙げられます。足に余計な力がかかり、浮き指の原因になることも。また、足だけでなく頭痛など、ほかの部位にも症状が出るケースもあるでしょう。
「買ったばかりの靴が足に合わないと感じても、しばらく履いていれば靴が足に馴染んでくるケースもあります。本革素材などはシューズストレッチャーを使ったり、厚手の靴下を履いたうえで靴を履き、外側からドライヤーで温風を当てるとサイズを広げることができます。」
原因④歩く際の姿勢が悪い
歩く際の姿勢の悪さも、歩きすぎた際に足の痛みにつながることがあります。また、ガニ股歩行やすり足、腕を自然に振っていないなども、膝や腰に負担をかける可能性があるため注意が必要です。
正しい歩き方は、足を着地する際に膝が曲がる程度の歩幅で、かかとから親指の付け根、つま先の順番に体重を移動します。腕は、足に合わせて自然に振るとよいでしょう。
原因⑤疾患
足底腱膜炎(そくていけんまくえん)などの疾患も、歩いた際の足の痛みにつながる可能性があります。足底腱膜炎とは、かかとにある骨「踵骨(しょうこつ)」と、それぞれの指につながっている「足底腱膜(そくていけんまく)」をつなぐ部分に痛みが生じる疾患です(※)。
足底腱膜炎で初期に見られる症状は、起床時の痛みや歩き始めた際の痛みです。しかし、歩いている間に治ってしまうケースもあるため、違和感を覚えたらなるべく早めに医療機関を受診することをおすすめします。
※ 参考:足底腱膜炎(そくていけんまくえん)とは?症状と原因、治療法とセルフケアについて解説@サワイ健康推進課
たくさん歩く際に疲れにくくする方法

続いては、たくさん歩く際に疲れにくくする方法を紹介します。
方法①こまめに水分補給をする
たくさん歩く日は、こまめに水分を補給するとよいでしょう。こまめに水を飲むと体の血流が良くなり、疲れにくくなる傾向にあります。人が1日に必要とする水分量は、体重の約2〜2.5%です(※)。
そのため、体重50kgの人なら約1〜1.25L、体重60kgの人なら約1.2〜1.5Lを目安に水分を補給するのがおすすめ。夏場や運動時などは、状況に応じてさらに水分補給してもよいかもしれません。
しかし、目安以上に水分を摂取したからといってより疲れにくくなるわけではありません。頻尿や血中ナトリウム濃度の低下につながる可能性もあるため、喉が乾いていないのに水分補給をするのはやめた方がよいでしょう。
※ 参考:頻尿の原因は?@国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
方法②着圧ソックスを活用する
着圧ソックスを活用するのも、立ち仕事の際に疲れにくくする方法のひとつです。足や脚の特定の部位に圧力をかけることで、むくみや疲労を軽減する効果が期待できる靴下のことを指します。着圧により加圧効果を得られ、長時間歩く日も足の血流を促進し、むくみづらくしてくれる(※)のが特徴。
しかし、圧力が高すぎる商品を選ぶとかえって足の血流を阻害する可能性もあるため、注意が必要です。初めて着圧ソックスを使用するなら、弱圧(約10〜20hPa)を選ぶのがおすすめ。慣れてきたら、徐々に圧力を上げていくとよいでしょう。
ちなみに、医療用に開発された着圧ソックスのことを「弾性ストッキング」と言います。一般的に販売されている着圧ソックスよりも圧迫圧が強く、リンパ浮腫や下肢静脈瘤、エコノミークラス症候群の予防にも活用されています。
※ 参考:~むくみ解消 これであなたもスマートナース!!~@宮崎大学医学部付属病院 看護部
「以前、テーマパークで丸1日遊ぶ予定の日に、登山用に開発された頑丈な着圧ソックスを履いて行ったことがあります。夕方になっても足の疲れが出づらく、とても快適に過ごせました。翌日の疲れもほとんどなく、感動したのを覚えています。」
方法③足に合った靴を選ぶ
たくさん歩く際は、足に合った靴を選ぶのも大切です。足に合わない靴を選ぶと、靴擦れや外反母趾などのトラブルを引き起こす可能性があります。
さらに、足に合った靴のなかでも、靴底に衝撃吸収機能が付いた商品を選ぶのがおすすめ。地面からの衝撃を吸収し、直接足に負荷がかかるのを軽減してくれるため、たくさん歩く日も足が疲れにくくなるでしょう。
まとめ

本記事では、歩きすぎて足が痛くなった際の治し方や原因を解説しました。歩きすぎて足が痛くなったら、マッサージやストレッチ、市販薬の活用などのセルフケアのほかに、足を高い位置に置いてむくみを取ったり、温めたりするのもおすすめです。
靴が足に合っていないと痛みにつながることもあるため、必ず試し履きをしてから購入するとよいでしょう。たくさん歩くことが事前にわかっている場合は、こまめな水分補給や着圧ソックスなどの活用もおすすめ。使用しなかった際よりも、痛みが軽減できるかもしれません。
自ら対策するのが難しい、またはプロのサポートを活用したい!という場合は、ぜひ一度薮下整骨院に一度ご相談くださいませ。