
太もも横の上の方から腰にかけて出っ張っている箇所を、大転子と呼びます。大転子が出っ張っていることで、“デニムを履いても様にならない”と感じたことがある人もいるかもしれません。そこで本記事では、大転子が出っ張る原因と、大転子の出っ張りを改善する方法を紹介。今よりも洋服をキレイに着たいと考えている人やプロポーションに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
大転子はどこにある?

大転子は、脚と臀部(でんぶ・お尻)の間あたりにある大腿骨の一部です。太ももの付け根を外側から押すと、触れることができます。
大腿骨のなかでも股関節側に位置するボール状の膨らみを「大腿骨頭(こっとう)」、反対側の飛び出している部分を大転子と呼びます。大転子は、特に問題がない状態でも外側に出っ張っている形状をしているのが特徴です。
なぜ大転子が出っ張るのか

大転子が出っ張る理由は、主に以下の2タイプに分かれます。
- もともとの骨格によるもの
- 姿勢や筋肉により後天的に出っ張ったもの
特に女性の場合、骨盤が前傾しているため男性と比べてもともとの骨格が理由で大転子が出っ張りやすい傾向にあります。
また、骨格以外にも血行不良や脂肪、筋肉のバランス(一部が過剰に発達していたり、緊張していたりするなど)が、大転子が出っ張っている原因のこともあります。
体の浮腫みも大転子の出っ張りに影響する可能性があるため、浮腫みづらい食生活を意識するとよいかもしれません。
大転子が出っ張ると起きる問題

大転子が出っ張ると起きる問題は、お尻が大きく見えたり、脚が太く見えたりすることです。プロポーションに気を遣う方にとって、体重よりもお尻や脚が大きく太く見えることは、歓迎されることではありません。そのため適切な体重であるにも関わらず減量してしまい、健康を損なう可能性もあります。
また、大転子が出っ張ると、下半身の脂肪が溜まりやすくなる傾向があります。大転子が外側に張りだすことで、骨盤が開いた状態になるからです。
大転子の出っ張りが目立つ理由

大転子が出っ張りが目立つ理由は、通常でも体の外側にある骨が、骨盤の歪みや骨盤周辺の筋力の低下、姿勢の悪さなどによりさらに横に向くからです。大転子が出っ張ると、太ももや腰回りが広く見えることがあります。
“大転子が出っ張っているかも?”と感じたら、鏡の前に立って、足を骨盤の幅で開いてみてください。このとき横方向から見て、耳の後ろ、肩、膝関節、くるぶしの前方を結んだ線の上に大転子があれば通常です。しかし、一直線上に大転子がない場合は、出っ張っているかもしれません。
デニムを履くときに、ウエストはゆとりがあるのに太ももの上で引っかかってしまい、1サイズ大きめを選んだことがあります。これも大転子の出っ張りによるものだったのかも。
大転子が出っ張る原因

大転子が出っ張る原因は、主に以下の6つです。
- 骨盤の歪み
- 骨盤周辺の筋力低下
- 内股
- 姿勢の癖
- 遺伝
- 出産
それぞれ詳しくみていきましょう。
大転子が出っ張る原因①骨盤の歪み
大転子が出っ張る原因として、骨盤の歪みがあります。骨盤が歪むと骨盤周辺の筋肉が緊張したり、脂肪がつきやすくなったりします。
骨盤が歪む原因は、生活のなかで片方の脚に偏った重心で過ごしたり、長時間同じ姿勢で過ごしたりすることです。骨盤のズレが蓄積され続けると、股関節の動きが制限されることもあります。
骨盤の歪みは大転子の出っ張りだけでなく、腰痛や足のしびれ、姿勢が崩れるといったトラブルを引き起こすケースもあるため注意が必要です。
大転子が出っ張る原因②骨盤周辺の筋力低下
骨盤周辺の筋力低下も、大転子が出っ張る原因のひとつです。骨盤周辺には、股関節を支える中臀筋や腸腰筋などの筋肉があります。これらの筋力が低下すると、骨盤を支えるためにほかの筋肉に負荷がかかり、結果的に大転子がより外側に突出して見える場合もあります。
大転子が出っ張る原因③内股
内股の癖が付いている人も、大転子が出っ張りやすい傾向にあります。また内側に体重をかけると、股関節や骨盤の周辺の筋肉を適切に使えず、外側にある外側広筋やその他の筋肉に負荷をかける原因になる可能性があります。
大転子が出っ張る原因④姿勢の癖
日常生活のなかで姿勢に癖があると、大転子が出っ張る原因になるケースもあります。姿勢の癖が原因で骨盤が歪んで正しい姿勢を保てなくなるため、ほかの筋肉でバランスを取ろうとするからです。
脚を組む癖があったり、お姉さん座りをする癖があったりすると、骨盤が歪みやすくなるため注意が必要。体の片方ではなく、両方に重心をかけるよう意識するとよいでしょう。
大転子が出っ張る原因⑤遺伝
大転子が出っ張る原因に、遺伝も挙げられます。幼少期から大転子が出っ張っていた場合、骨盤のバランスが崩れにくい時期のため、遺伝による影響が大きいといえるでしょう。また、親や兄弟姉妹の日常姿勢が悪く、無意識下で真似して影響するケースもあるかもしれません。
大転子が出っ張る原因⑥出産
出産も、大転子が出っ張る原因になる可能性があります。出産時に赤ちゃんが産道を通る際、骨盤に負荷がかかり圧迫されるからです。
しかし出産時に骨盤が開くことで大転子が出っ張った場合は、しばらく経てば改善される傾向にあります。出産後半年〜1年程度は様子を見て、それでも出っ張りがおさまらないようならセルフケアやプロに依頼するのもよいかもしれません。
自分でできる!大転子の出っ張りを引っ込める方法

続いては、自分でできる大転子の出っ張り改善方法を紹介します。
大転子の出っ張りを引っ込める方法①ストレッチ
大転子の出っ張りを引っ込める方法として、ストレッチがあります。ストレッチは股関節まわりの筋肉をほぐし、関節の動きを改善するのに役立ちます。運動が苦手な方でも取り入れやすいため、まずストレッチから始めてみるとよいでしょう。
大転子の出っ張りを引っ込めるには、太ももの張りを改善するストレッチが効果的。うつ伏せの体勢で両腕を顔の下で組み、かかとをお尻に近づけましょう。足の甲を掴み、そのままさらにおしりに近づけることで、太ももの張りを伸ばすことができます。
動画サイトにも太ももの張りを引っ込めるストレッチが掲載されているので、自分に合った方法を選ぶとよいかもしれません。
大転子の出っ張りを引っ込める方法②エクササイズ
エクササイズも、大転子の出っ張りを引っ込める方法としておすすめです。たとえば、大転子と骨盤の骨をつなぐ筋肉である中臀筋を鍛えるエクササイズは、大転子の出っ張り改善に効果的。ヒップアップなども期待できるため、ダイエットに悩む方は積極的に取り入れるとよいかもしれません。
中臀筋を鍛えるエクササイズの例として、スクワットがおすすめです。足を肩幅ほどに開いて立ち、お尻を後方に突き出すような姿勢で膝を曲げ伸ばしします。通常のスクワットに慣れてきたら、片脚を後方に置いた台に置き、もう片方の脚でスクワットを行う「ブルガリアンスクワット」もおすすめ。負荷が大きくなり、骨盤周辺の筋肉を効率的に鍛えられるでしょう。
大転子の出っ張りを引っ込める方法③日常生活のなかでの姿勢改善
日々の生活のなかで正しい姿勢を保つために意識するのも、大転子の出っ張りを引っ込めたい際におすすめです。無意識下で足を組んだりお姉さん座りをしていたりと、骨盤の歪みになる原因の姿勢が癖になっている人もいるかもしれません。
日常生活のなかで姿勢改善をするには、どちらか片方に重心をかけるのではなく、左右均等に重心がかかるように意識するのがポイントです。歩行時には頭のてっぺんからツンと引っ張られているような間隔で姿勢を伸ばすとよいでしょう。
自分の姿勢の歪みがわからないケースもあるため、最初に整骨院などで正しい姿勢ができているか確認するとよいかもしれません。
大転子の出っ張りを引っ込めるならプロに依頼するのもおすすめ

自分でできる大転子の出っ張りを引っ込める方法を試しても、なかなか効果が感じられないケースもあるでしょう。その際は、整骨院や整体などのプロに依頼をするのもおすすめです。また、すぐに効果を実感したい人や、直近でイベントなどが控えている人にも効果的。
整骨院や整体では、大転子の出っ張りを引っ込める施術のことを「大転子矯正」「骨盤矯正」といったメニュー名で案内されています。
まとめ

大転子が出っ張る原因は、骨盤の歪みや骨盤周辺の筋力低下、内股や姿勢の癖などです。また、遺伝や出産が原因のケースもあります。大転子の出っ張りが気になる際は、自分でできるストレッチやエクササイズから挑戦してみるとよいかもしれません。
そして効果がみられないなら、整骨院や整体などプロに依頼をするのもおすすめ。薮下整骨院に一度ご相談いただけると幸いです。