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  3. 急性アルコール筋症の治し方とは?原因から対処法、効果的な予防策まで解説

飲酒後に筋肉痛や脱力感に悩まされた経験はありませんか。

もしかすると、それは「急性アルコール筋症」かもしれません。

この記事では、急性アルコール筋症の症状や原因、具体的な治し方について詳しく解説するため、一緒に適切な対処法を学び、症状の改善を目指しましょう。

また、再発させないための効果的な予防・対策も紹介するため、お酒を頻繁に飲む方はぜひ参考にしてみてください。

急性アルコール筋症とは?飲酒後に筋肉が痛む原因

急性アルコール筋症とは、短時間に多量のアルコールを摂取した後に生じる筋肉の痛みや腫れ、脱力感などを主な症状とする病態です。

一般的には「アルコール性ミオパチー」とも呼ばれ、飲酒量が多い人ほど発症しやすい傾向にありますが、体質によっては飲酒量が少なくても起こり得ます。

アルコールそのものや、その代謝産物が筋肉に直接的なダメージを与えることが原因と考えられており、適切な対策を行わないと症状が悪化する可能性もあるため注意が必要です。

よくお酒を飲む人ほど、急性アルコール筋症への正しい理解が求められます。

急性アルコール筋症で現れる主な症状

急性アルコール筋症の症状は多岐にわたり、主に飲酒後数時間から数日以内に現れます。

代表的な症状には、次のようなものがあります。

・太ももや肩、腕といった体幹に近い大きな筋肉に生じる痛み
・筋肉の腫れやこわばり、筋力低下による脱力感、こむら返り

なお、急性アルコール筋症は、重症化すると筋肉の細胞が壊れて「ミオグロビン」という物質が血中に溶け出し、尿が赤褐色になる「ミオグロビン尿症」を引き起こすことも珍しくありません。

この状態は腎臓に負担をかけやすいため、迅速な対策と医療機関の受診が必要不可欠です。

もちろん、普段からお酒の量を抑えるなど、予防も大切です。

アルコールが筋肉痛を引き起こす3つのメカニズム

アルコールが筋肉痛を引き起こす背景には、複数の要因が複雑に関係しています。

主なメカニズムは、次の3つです。

・筋肉のエネルギー源の不足
・電解質バランスの乱れ
・筋肉の炎症反応

これらの作用が複合的に筋肉へダメージを与え、痛みや脱力感といった症状につながります。

それぞれのメカニズムを正しく理解することは、症状を和らげ、再発を防ぐための適切な予防対策を講じるうえでとても重要です。

1.筋肉のエネルギー源が不足する

アルコールを摂取すると肝臓はアセトアルデヒドという有害物質を分解するために最優先で働きます。

この分解プロセスには筋肉のエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)が大量に消費され、その結果、筋肉へ供給されるはずのエネルギーが不足し、筋肉の機能が低下したり疲労が蓄積しやすくなったりするのです。

特に、激しい運動の後に飲酒をすると筋肉の回復に必要なエネルギーがアルコールの分解に使われてしまうため、筋繊維の修復が遅れ、より筋肉痛を引き起こす原因となります。

つまり、過剰な飲酒が筋肉に間接的にも直接的にも影響を与えるわけです。

2.体内の電解質バランスが乱れる

アルコールには利尿作用があるため、飲酒によって体内の水分が尿として排出されます。

このとき、水分だけでなくカリウムやマグネシウム、カルシウムといった電解質も一緒に失われてしまいます。

それらの電解質は、筋肉の正常な収縮や神経伝達に不可欠な役割を担っており、不足すると筋肉が正常に機能しなくなり、足がつる、いわゆる「こむら返り」や、筋肉の痙攣、脱力感といった症状が現れやすくなるのが一般的です。

症状を緩和するには、体内のバランスの乱れを改善することが大切です。

3.筋肉に炎症反応が起きる

アルコールの代謝過程で生じるアセトアルデヒドは、活性酸素を発生させ、筋肉の細胞膜や筋繊維そのものを直接傷つける毒性を持っています。

このダメージによって筋肉に炎症反応が引き起こされ、痛みや腫れ、熱感といった症状が発生するのが一般的です。

また、アルコールは炎症を引き起こすサイトカインという物質の生成を促進し、逆に筋肉の修復を促す物質の働きを抑制することもわかっています。

その炎症をいかに早く抑えるかが、症状を速やかに改善させるためのポイントです。

急性アルコール筋症の治し方と具体的な対処法

急性アルコール筋症の症状が現れた場合、速やかな回復のためには適切な対処が重要です。

基本となるのは、原因であるアルコールの摂取を止め、体への負担を軽減することです。

そのうえで、脱水を防ぐための水分補給や、筋肉の修復を助ける栄養摂取を心がけます。

ここからは、具体的な対処法を解説します。

まずはアルコールの摂取を完全に止める

急性アルコール筋症の症状が出た際に、最も重要かつ最初に行うべき対処は、原因であるアルコールの摂取を直ちに中止することです。

アルコールが体内にある限り、筋肉へのダメージは継続し、症状は悪化し続けます。

飲酒を続けると、回復が遅れるだけでなく、症状が慢性化したり、より重篤な合併症を引き起こしたりするリスクにもつながるため、まずはやめることが先決です。

症状が軽いと感じても自己判断で飲酒を再開せず、筋肉の痛みや違和感が完全になくなるまでは禁酒を徹底することが、早期回復への第一歩となります。

脱水症状を防ぐために十分な水分を摂る

アルコールの利尿作用によって体内は脱水状態に陥りやすく、これが筋肉の症状を悪化させる一因となります。

そのため、意識的に水分を摂取することが基本的な対処法です。

水やお茶、麦茶などをこまめに飲み、失われた水分を補給してください。

特に、水分と電解質を同時に補給できる経口補水液やスポーツドリンクは、乱れた電解質バランスを整えるのに効果的です。

十分な水分補給は、血中のアルコール濃度を和らげ、体外への排出を促進する助けにもなるため、積極的に行うことが求められます。

栄養バランスの取れた食事で回復を促す

損傷した筋肉を修復し、体全体の回復を促進するためには、栄養バランスの取れた食事が必要不可欠です。

特に、筋肉の材料となるタンパク質は積極的に摂取しましょう。

鶏肉や魚、卵、大豆製品など、消化が良く良質なタンパク質源を選ぶのがおすすめです。

また、アルコールの分解過程で大量に消費されるビタミンB群や、抗酸化作用のあるビタミンC・Eも回復を助けます。

胃腸が弱っている場合もあるため、おかゆやスープなど、消化に良い調理法を工夫し、栄養をしっかり摂ることが症状の改善につながります。

症状が重い場合は医療機関を受診する

セルフケアを行っても症状が改善しない場合や、歩行が困難なほどの激しい痛み、手足のしびれ、尿の色が濃くなる(赤褐色など)といった症状が見られる場合は、横紋筋融解症などの重篤な状態に進行している可能性があります。

この場合、腎不全などを引き起こす危険があるため、速やかに医療機関を受診すべきです。

我慢はせず、内科や整形外科に相談し、適切な診断と治療を受けてください。

場合によっては、点滴による水分・電解質の補給や専門的な検査・処置が必要になることもあるため、医師の指示に従いましょう。

急性アルコール筋症の再発を防ぐための予防策

急性アルコール筋症は、一度発症すると再発しやすいため、日頃からの予防が重要です。

最も効果的な対策は、飲酒の習慣を見直し、筋肉に負担をかけない飲み方を実践することです。

自分の体質やその日のコンディションに合わせて飲酒量をコントロールし、アルコールの影響を最小限に抑える工夫を取り入れることで、発症リスクを回避できます。

ここでは、今日から実践できる具体的な予防策を紹介します。

自分の適量を把握し飲み過ぎないようにする

急性アルコール筋症を予防するための最も基本的で重要な対策は、過剰な飲酒を避けることです。

この症状は摂取したアルコールの量に比例して発症リスクが高まるため、自分が安全に楽しめる「適量」を把握することが大切です。

飲み会の席ではそれぞれ自分のペースを守り、勧められても断る勇気を持っておくとよいでしょう。

また、連日の飲酒は肝臓や筋肉に回復の時間を与えず、ダメージを蓄積させます。

週に2日以上の「休肝日」を設けるなど、体を休ませる習慣をつけることも効果的な予防につながります。

空腹時の飲酒を避けて胃腸への負担を減らす

空腹の状態でアルコールを摂取すると、胃に食べ物がないためアルコールの吸収が非常に速くなり、血中アルコール濃度が急激に上昇します。

これにより、肝臓での分解が追いつかず、筋肉をはじめとする全身への悪影響が大きくなります。

それらを防ぐためには、飲酒前に食事を摂っておくことが効果的です。

特に、チーズや唐揚げなどの脂質や、枝豆や豆腐などのタンパク質を含む食べ物は、アルコールの吸収を緩やかにしてくれるため、うまく取り入れるのがコツです。

まずは、おつまみを上手に活用し、胃腸への負担を軽減させてみてはいかがでしょうか。

飲酒中もこまめに水分補給を心がける

飲酒中は、アルコール飲料と並行して水やお茶などのノンアルコール飲料を飲む「チェイサー」を習慣にすることが有効な予防策となります。

ほかの飲み物を飲むことで、アルコールの利尿作用による脱水を防ぐだけでなく、胃の中のアルコール濃度を薄め血中アルコール濃度の上昇を緩やかにする効果も期待できます。

また、水分を摂ることで満腹感が得やすくなり、結果的に飲酒量を抑えることも可能です。

お酒を一杯飲んだら水を一杯飲むというように意識的に水分補給を心がけることが大切です。

飲酒後は十分な休息と睡眠時間を確保する

アルコールによってダメージを受けた筋肉や肝臓などの臓器が回復するためには、十分な休息が必要不可欠です。

特に、睡眠中には筋肉の修復を促す成長ホルモンが分泌されるため、飲酒した日の夜は意識的に睡眠時間を十分に確保してください。

夜遅くまで深酒をするのは避け、質の良い睡眠を行うよう心がけましょう。

また、飲酒後にサウナに入ったり、激しい運動をしたりするのは、脱水や筋肉へのさらなる負担を招くため、危険とされています。

飲んだ後はリラックスして過ごすことが、欠かせません。

症状緩和に役立つ食べ物や飲み物

急性アルコール筋症になってしまった場合、安静にすると同時に、食事の内容を工夫することで回復を早めることが可能です。

ダメージを受けた筋肉の修復を助けたり、アルコールの分解をサポートしたりする栄養素を積極的に摂取することが、症状改善のための対処法となります。

最後に、症状緩和に役立つ具体的な食べ物や飲み物を紹介するので、食事を選ぶ際の参考にしてください。

普段の食事も、一緒に改善していきましょう。

筋肉の修復を助けるタンパク質

タンパク質は筋肉の主成分であり、アルコールによって損傷した筋繊維を修復するために必要不可欠な栄養素です。

症状が出ている時は、消化吸収の良い良質なタンパク質を摂取することが、回復の促進と症状の改善につながります。

具体的には、脂肪分の少ない鶏のささみや胸肉、白身魚、卵、豆腐や納豆などの大豆製品がおすすめ。

食欲がない場合でも、プロテインドリンクや茶碗蒸しなど、喉ごしの良いもので補給するとよいでしょう。

アルコールの分解をサポートするビタミンB1

ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える際や、アルコールが肝臓で分解される際に補酵素として働く重要な栄養素です。

アルコールを多量に摂取すると、ビタミンB1が大量に消費されて不足しがちになり、アルコールの代謝が滞るだけでなく、疲労感や倦怠感の原因にもなります。

ビタミンB1は、豚肉やうなぎ、玄米、枝豆、豆腐などに豊富に含まれているため、これらの食材を食事に取り入れることで、それぞれアルコールの分解を助け、症状の早期改善を目指すのがよいのではないでしょうか。

電解質を補給できるスポーツドリンク

アルコールの利尿作用により、体内の水分とともにカリウム、ナトリウム、マグネシウムといった電解質が失われます。

電解質の不足は、筋肉の痙攣や脱力感の直接的な原因となるため、速やかに補給することが大切です。

特に、スポーツドリンクは、水分と電解質をバランスよく、かつ効率的に吸収できるように設計されているため、積極的に摂取してください。

水やお茶だけを大量に飲むと、体内の電解質濃度がさらに薄まる可能性もあるため、症状がある場合はスポーツドリンクを活用しましょう。

肝機能の回復を助けるオルニチン

オルニチンはアミノ酸の一種で、肝臓で行われる「オルニチン回路」という代謝経路の重要な構成要素の一つです。

この回路は、アルコールの分解などで発生する有害なアンモニアを無害な尿素に変換する働きを担っており、オルニチンを摂取することで、その回路の働きが活性化し、肝臓の解毒機能がサポートされます。

結果的に、肝臓の負担が軽減され、間接的に筋肉の回復を助けることにつながり、症状の改善も期待できるというわけです。

オルニチンは、しじみやえのき、ぶなしめじなどのキノコ類にたくさん含まれているため、積極的に摂ることをおすすめします。

まとめ

急性アルコール筋症は、過度な飲酒によって誰にでも起こりうる筋肉のトラブルです。

飲酒後に原因不明の筋肉痛が現れた場合は、まず飲酒を中止し、十分な水分と栄養を摂って安静にすることが基本的な対処法となります。

症状が重い、または長引く場合は、自己判断せずに医療機関を受診してください。

なお、最も重要となるのは、再発させないための予防や対策です。

自分の適量を守り、空腹時の飲酒を避ける、チェイサーを飲むといった日頃の対策を心がけ、健康的な飲酒習慣を身につけることが求められます。

もし、普段から飲み過ぎてしまう方は、意識的にお酒の量をコントロールしましょう。

飲み過ぎの後の筋肉痛がクセになっているなら、薮下整骨院で体のケアをしませんか?

急性アルコール筋症が疑われるような、飲酒後の強い筋肉痛や赤褐色の尿、歩けないほどの脱力感があるときは、まず内科などの医療機関での受診・検査が最優先です。
命に関わるケースもあるため、「そのうち治るだろう」と自己判断で様子を見るのは危険です。

 一方で、検査で大きな異常はないものの「飲み会のあと毎回全身が重だるい」「肩や腰の張りが抜けず、疲れが溜まりやすい」といった状態が続く場合には、普段の姿勢や筋肉の使い方、血行不良などが影響していることも少なくありません。
薮下整骨院では、全身の筋肉バランスや関節の動きをチェックし、硬くなった部位を丁寧にほぐしながら、血流や姿勢を整える施術を行います。
あわせて、飲酒が多い方でも体に負担を溜め込みにくくするストレッチやセルフケアの方法もお伝えします。
「お酒の後、毎回しんどくなる」「年々リカバリーに時間がかかる」と感じている方は、生活習慣の見直しとあわせて、からだの土台づくりのパートナーとして薮下整骨院に相談してみてください。

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