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  3. 整形外科と整骨院どっち?違いと正しい選び方を解説

体に痛みや不調を感じたとき、整形外科と整骨院のどちらへ行くべきか迷うことがありませんか?

両者は似ているように見えますが、資格を持つ専門家や行われる処置、保険が適用される範囲に明確な違いがあります。

自分の症状や目的に合わせて適切な選択をするためには、両者の特徴を正しく理解しておくことが重要です。

そこで、この記事では、整形外科と整骨院の違いをわかりやすく解説し、症状別にどちらを選ぶべきかの判断基準を提示します。

整形外科選びや整骨院選びにご活用いただければ幸いです。

【結論】原因がはっきりしている怪我や、軽い痛みのケアなら整骨院がおすすめ

原因がはっきりしている怪我や軽い痛みのケアなら整骨院が良いでしょう。

整形外科と整骨院はどちらも体の不調を扱いますが、「レントゲンで原因を特定したい」「薬や注射で治したい」なら整形外科「捻挫・筋肉の張り・慢性的な肩こりなどをやわらげたい」なら整骨院を選ぶのが適切です。


整形外科と整骨院の違いについては、次の項目で詳しく掘り下げていきます。

整形外科と整骨院の3つの明確な違い

整形外科と整骨院は、どちらも身体の痛みや不調に対応する場所ですが、その役割や提供されるサービスには大きな違いがあります。

主な相違点は「担当する専門家の資格」「行われる処置の内容」「健康保険が適用される範囲」の3つです。

これらの違いを把握することが、自分の症状に対してより適切な選択をするための第一歩となるのではないでしょうか。

以下で、それぞれの違いについて具体的に見ていきましょう。

違い①:担当する専門家の資格(医師か柔道整復師か)

整形外科で患者の対応をするのは、国家資格である医師免許を持つ医師です。

医師は診察を通じて病名を確定する「診断」を行い、レントゲンやMRIといった画像検査、投薬、注射、手術など、あらゆる医療行為が法的に認められています。

一方、整骨院で施術を行うのは、同じく国家資格ですが「柔道整復師」です。

柔道整復師は医師ではないため、診断や投薬、手術などの医療行為はできません。

主な業務は骨折、脱臼、捻挫、打撲といった外傷に対する施術であり、骨折や脱臼の応急処置は可能ですが、その後の継続的な施術には原則として医師の同意が必要となります。

違い②:行われる処置の内容(医療行為か施術か)

整形外科では医師による医学的診断に基づいて治療が行われます。

レントゲンやMRIなどの精密検査で痛みの原因を特定し、その結果に応じて投薬、注射、手術、理学療法士によるリハビリテーションなどを組み合わせた医療行為を提供します。

科学的根拠に基づき、症状の根本原因にアプローチするのが特徴といえるでしょう。

対して、整骨院では柔道整復師による施術が中心です。

手技療法、電気療法、温熱療法などを用いて、主に筋肉や関節に働きかけ、痛みや不調の緩和を目指すのが一般的で、医療行為とは別物です。

整体と混同されることもありますが、整体師が民間資格であるのに対し、柔道整復師は国家資格保有者という違いがあるため、選ぶときに注目してみてはいかがでしょうか。

違い③:健康保険が適用される範囲

整形外科では、診察や検査、治療、薬の処方に至るまで、ほとんどの医療行為に健康保険が適用されるため、患者は医療費の一部を負担するだけで済みます。

一方、整骨院で健康保険が適用される範囲は限定的です。

「いつ、どこで、何をして痛めたか」が明確な、骨折、脱臼、打撲、捻挫、肉離れといった急性の外傷性の怪我のみが対象となります。

したがって、長期間続く慢性的な肩こりや腰痛、原因がはっきりしない痛み、スポーツ後の疲労回復などを目的とした施術は保険の適用外となり、全額自己負担の自費診療です。

保険を利用する場合は、適用範囲の違いを理解しておかなければいけません。

【症状・目的別】あなたはどっち?整形外科と整骨院の選び方

整形外科と整骨院の法的な立場や業務内容の違いを踏まえた上で、自身の症状や目的に応じてどちらを選ぶべきかを判断することが重要です。

例えば、痛みの原因を正確に突き止めたい場合と、急な怪我の応急処置を求める場合とでは、適した選択肢は異なるため、ご注意ください。

ここからは、具体的なケースを挙げながら、整形外科と整骨院のどちらを受診するのがより適切かを解説していきます。

整形外科へ行くべきケース

まずは、整形外科に行くべきケースについて見ていきましょう。

骨折や脱臼が疑われる激しい痛みや腫れがあるとき

転倒や事故などの怪我により、特定の部位に耐えがたい痛み、著しい腫れ、見た目の変形、動かせないといった症状がある場合、骨折や脱臼が強く疑われます。

このような状態では、速やかに整形外科を受診しなければなりません。

整形外科ではレントゲン検査を用いて骨の状態を正確に把握し、骨折の有無や程度を診断することが可能です。

その診断結果に基づき、ギプスによる固定や手術といった医学的に適切な治療が行われます。

整骨院でも応急的な処置はできますが、確定診断と根本的な治療を行えるのは医師のみです。

レントゲンやMRIによる精密検査を受けたいとき

痛みの原因がはっきりせず、しびれなどの神経症状が伴う場合には、精密検査による原因の特定が欠かせません。

整形外科では、レントゲンをはじめ、MRIやCTといった高度な画像診断装置を駆使して、骨だけでなく椎間板や神経、靭帯といった軟部組織の状態まで詳細に調べられます。

例えば、腰痛の原因が椎間板ヘルニアかどうかを確定するにはMRI検査が非常に有効です。

精密検査は医師にしか行えない医療行為であり、整骨院では実施できません。

正確な診断のもとで治療方針を決定するため、精密検査を希望する場合は整形外科を選ぶべきでしょう。

交通事故による怪我やむち打ちを治療したいとき

交通事故による怪我、特に首の痛みや吐き気などを伴う「むちうち」の症状がある場合、まずは整形外科を受診することが重要です。

事故直後は心身が興奮しているため痛みを感じにくいことが多く、後から症状が悪化するケースも少なくありません。

整形外科であればレントゲンなどの検査で骨や神経に異常がないかを確認し、医学的な診断を下せます。

また、自賠責保険の請求手続きに必須となる「診断書」を作成できるのは医師だけです。

交通事故の治療は法的な手続きも絡むため、最初に医師の診断を受けておくことが、後の手続きを円滑に進める上で不可欠となります。

痛み止めの薬や湿布を処方してほしいとき

急な足の痛みや関節の痛みなど、つらい症状をすぐにでも和らげたい場合、痛み止めの内服薬や外用薬(湿布・塗り薬)が有効です。

これらの医薬品を処方できるのは医師のみであり、整形外科で受診する必要があります。

それぞれの症状に応じて、炎症を抑える薬や神経の痛みを緩和する薬などが処方されます。

また、ヒアルロン酸注射やステロイド注射といった、より直接的な痛みの治療も整形外科の専門分野です。

整骨院や接骨院では医薬品の処方は一切できないため、薬による症状の緩和を求める場合は、整形外科を受診してください。

整骨院の利用が適したケース

次に、整骨院の利用が適したケースについて見ていきましょう。

原因がはっきりしている急性の痛み(捻挫・打撲・肉離れ)を和らげたいとき

スポーツ中や日常生活において「いつ、どこで、何をして痛めたか」という原因が明確な急性の怪我は、整骨院での施術が適しています。

具体的には、階段を踏み外した際の足首の捻挫、転倒による打撲、急なダッシュによる肉離れなどの他、朝起きた際の寝違えによる首の痛みなども対象です。

柔道整復師は、これらの症状に対してアイシングやテーピング固定、手技療法などを用いて、痛みや炎症を和らげるための施術を行います。

ただし、骨折の疑いがあるほどの激しい痛みや腫れを伴う場合は、まず整形外科でそれぞれ診断を受けることが先決です。

慢性的な肩こりや腰痛のケアをしたいとき

長時間のデスクワークや不適切な姿勢が原因で生じる慢性的な肩こりや腰痛は、多くの人が経験する不調です。

このような症状は、特定の病気や怪我が原因でないことも少なくなく、整形外科では湿布や痛み止めの処方による対症療法が中心になる場合があります。

整骨院では、手技療法を用いて硬くなった筋肉をほぐし、血行を改善することで、腰の痛みなどの症状緩和を目指します。

ただし、それらの慢性症状に対する施術は健康保険の適用外となり、自費診療です。

施術だけでなく、姿勢改善のアドバイスなど、日常生活におけるセルフケア指導を受けられることもあるため、活用次第では技術や知識を身につけるのにも良いかもしれません。

骨折や怪我の後のリハビリや機能回復を目指すとき

整形外科で骨折などの治療を受け、ギプス固定が外れた後には、関節が固まって動きにくくなったり、筋力が低下したりしていることがあります。

このような状態から元の身体機能を取り戻すためには、リハビリが重要です。

整形外科でも理学療法士によるリハビリを受けられますが、通院の利便性や施術時間などを考慮して整骨院を選ぶ人も珍しくありません。

なお、整骨院では、関節の可動域を広げるためのストレッチや、低下した筋力を回復させるためのトレーニング指導といった、社会復帰やスポーツへの復帰をサポートする施術が受けられます。

その場合も、整形外科の医師と連携しながら進めるのが理想的です。

整形外科と整骨院を併用する際の注意点

整形外科での医学的な治療と、整骨院での手技による施術を組み合わせることで、より効果的な回復が期待できるケースもありますが、両者を併用する際には、いくつか注意が必要です。

特に、受診の順序や健康保険の適用ルールを知らないまま自己判断で併用すると、思わぬ不利益を被る可能性も否定できません。

最後に、安全かつ適切に両者を利用するために知っておくべき基本的なポイントを解説します。

まずは整形外科で医師の正確な診断を受けるのが基本

身体に何らかの痛みや不調が生じた場合、最初に訪れるべきは整形外科です。

安易に「いつもの腰痛」「軽い捻挫」などと自己判断し、整骨院へ直行してしまうと、その痛みの背後に隠れた骨の異常や重大な病気を見逃すリスクがあります。

まずは整形外科でレントゲンなどの必要な検査を受け、医師による正確な診断を仰ぐことが大原則。

原因を医学的に特定した上で、治療方針として整骨院での施術が有効であると医師が判断した場合や、医師に相談し同意を得た上で併用を検討するのが正しい手順です。

最初に診断を受けることで、安全かつ効果的な治療計画を立てられます。

自己判断で併用すると保険が使えない可能性も

同じ怪我や症状(同一傷病名)に対して、同月内に整形外科での治療と整骨院での施術を併行して受ける場合、健康保険の適用に関して注意が必要です。

特に、整形外科に通院中にもかかわらず、医師に相談なく自己判断で整骨院の施術を受けると、整骨院での費用は健康保険が適用されず、全額自己負担となる可能性が高くなります。

これは、同一の傷病に対して二重に保険給付を行うことを避けるための制度上のルールであるため、もし併用を希望する場合は、必ず通院中の整形外科医にその旨を伝え、許可を得るようにしてください。

まとめ

整形外科と整骨院は、担う役割が明確に異なります。

整形外科は医師が診断と治療を行う医療機関であり、レントゲンなどの精密検査から投薬、手術まで対応するのに対して、整骨院は、柔道整復師が施術を行う場所であり、急性の怪我への処置や慢性的な不調の緩和などを得意としているのが特徴です。

身体に痛みや異常を感じた際は、まず整形外科を受診し、医師による正確な診断を受けることが基本。

最終的に、診断結果や治療方針に基づき、必要に応じて医師と相談の上で整骨院の利用を検討するのが適切な流れです。

両者の違いを正しく理解し、自身の症状や目的に合わせて使い分けることが、早期回復への鍵となります。

まずは、自己判断せず、プロに相談しましょう。

自分に合うケアを探している方へ ― 整骨院も選択肢のひとつです

「整形外科と整骨院、どっちに行けばいいんだろう…」と迷うのは当然のことです。

整形外科での検査や治療が必要なケースもありますが、「痛みをやわらげたい」「身体のバランスを整えたい」「再発しない体づくりをしたい」といった目的には、整骨院の施術が力になります。

薮下整骨院では、国家資格を持つスタッフが、筋肉や関節の動きを丁寧に確認し、あなたの症状や生活スタイルに合わせてケアを行います。

痛みの根本にアプローチし、再発予防までを一緒に考えるパートナーとして、気軽に相談できる場所でありたい……それが私たちの想いです。

「病院に行くほどじゃないけど不調が気になる」そんなときこそ、ぜひ一度薮下整骨院へご相談ください。

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